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自閉症スペクトラムの息子と今を生きるブログ

WISC-IV知能検査の結果から考えること

 3月1日のWISC-IV知能検査の結果が郵送されてきた。

 

実は・・・一カ月後の診察のときに結果を教えていただく予定だったものの、それではあまりにも先過ぎるということで、電話で受診の前倒しをお願いしたところ、検査結果自体は郵送も可能とのことだったのでお願いしてあったのだ。

 

いざ封筒を目の前にすると、「どんな結果なのかな」と内心緊張してしまう・・・。

 

本来知能検査とは、息子の現時点での数値を確認するものであって、髙い数値を期待するものではないのだが、心のどこかで「もしかしたら・・・」という気持ちが少しあった。

 

気になる検査結果はFSIQ78という数値で、全体的に平均値を下回っていて、さらに処理速度が【非常に低い】ということがわかったのだ。

 

処理速度指標(PSI)とは、単純作業を処理する能力を測定するものらしく、目で見たものから手足の神経や筋肉への協応動作が苦手な場合に処理する速度が遅くなることでPSIの数値が低くなるのだそうだ。

 

ワーキングメモリー(WMI)と知覚推理(PRI)は【平均の下】で、言語理解(VCI)は【低い(境界域)】であった。

 

むむむ、根拠のない期待をしていた自分もどうかと思うが、想像していたよりも低い結果に、改めて自閉症スペクトラムである息子の現実を目の当たりにした気分だった。

 

ワーキングメモリー(WMI)は短期記憶の能力を測定する指標で、注意集中力が弱かったり、検査のときに不安が強い場合にWMIの数値が低くなる傾向にあるらしい。

 

一時的に記憶し、それを操作することが少し困難なようだ。

 

知覚推理指標(PRI)は、非言語的な領域の発達水準を図る指標らしく、推理や認知、協応に分かれるのだそうだ。

 

いわゆる目で見た情報をもとに、ものごとを推理したりまとめあげる能力が低い。

 

以上が検査結果に表れた息子の現時点での数値で、言語聴覚士の先生からのコメントでは・・・

 

・検査中は椅子をガタガタさせている様子がみられた。(自宅でも落ち着いて椅子に座っていることは少ない)

・鉛筆を使用する課題では筆圧が弱い。(未知のものを書くことに不安があるのか、自宅でも何かを描く動作が非常に弱いことが多い)

・聴覚的スパンは短いものの、ワーキングメモリーは優れていた。

・計算能力は弱い。

・「積木模様」「語音整列」が強く、「数唱」「符号」が弱い。

・全体から部分をイメージすることが得意であり、目で見て覚えて書き写す作業が苦手。

 

今回の結果から、

 

・指示はできるだけ簡潔にすること。

・情報の中から視覚的に探索する際には、文字の大きさや色などで強調すること。

・文字を書き写す作業には時間を長めに設定すること。

・難しい場合にはプリントなどを用意するなどの配慮が必要。

 

という対応策をいただいた。

 

WISC-IVの知能検査がすべてではないが、息子の得意とするところと苦手なところが浮き彫りになったことで、得意なところは伸ばし、苦手なところには時間をかけてあげるという身構えができたので、私たち夫婦にとっても大きな収穫になった。